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千葉 敦也; 宇野 定則; 大越 清紀; 山田 圭介; 齋藤 勇一; 石井 保行; 酒井 卓郎; 佐藤 隆博; 水橋 清
JAEA-Review 2005-001, TIARA Annual Report 2004, p.358 - 360, 2006/01
日本原子力研究所高崎放射線高度利用センターにある、シングルエンド加速器, タンデム加速器, イオン注入装置の3台の静電加速器における16年度のイオンビーム照射技術開発について報告する。イオン注入装置のビーム制御技術として、メッシュ状の透過型ビーム電流モニタとワイヤー型可変減衰器を組合せることで、ビーム電流を数%の変動幅で安定に供給できるシステムを確立した。また、イオン生成技術として、金属イオン等の材料への注入深さの制御範囲を拡大させるため、注入装置に搭載された小型ECRイオン源を用いて金属多価イオン生成を行っている。シングルエンドでは、マイクロビームにおいて、PCからの制御であらかじめ設定した領域に、指定した時間だけ走査照射をするシステムの開発を行った。さらに、加速器の電圧安定化に伴う、高精度な電圧安定度の測定技術として、共鳴幅(50eV)の極めて小さな核反応によるビームエネルギー幅の測定システムを確立した。
仲野谷 孝充; 松田 誠; 藤井 義雄*
Proceedings of 2nd Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 30th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.729 - 730, 2005/07
原研ではKEKと共同でTRIAC(Tokai Radioactive Ion Accelerator Complex)の建設を行ってきた。TRIACとは安定核ビーム及び短寿命核ビームを1MeV/uまで加速することができる複合型加速器である。安定核ビームはECRイオン源により生成され、おもに短寿命核を効率よく加速するためにパイロットビームとして用いられる。また、将来計画では大強度の安定核ビーム用のイオン源としても期待されている。これまでに、同イオン源から窒素やネオン等の気体元素のイオン化,加速は多くの実績がある。しかし、多様な短寿命核種のパイロットビームや大強度安定核ビームとして利用するために生成イオン種の拡大が求められている。そこでオーブン法により各種の金属イオンの生成を試みた。オーブン法では金属蒸気を生成するためのオーブンをイオン源内に直接導入する。そのためオーブンには坩堝容積を確保しながら本体の縮小化や、少ない熱輻射で高い到達温度等の相反する性能が求められる。これらの点を踏まえオーブンの開発を行った。結果、これまでにFeやAu等の17種類の金属イオンを生成することができた。
松田 誠; 藤井 義雄*; 竹内 末広; 吉田 忠
第15回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.62 - 64, 2003/03
原研タンデム加速器では得られるビームのエネルギー,強度,イオン種の拡大を目的に高電圧端子内にECRイオン源を設置する計画を進めてきた。第1段階では基本的な技術の取得及び機器の開発のため、加速器本体に大きく手を加えることなく設置が可能な小型の永久磁石型ECRイオン源(RF周波数10GHz、出力200W)を搭載した。主に水素,酸素及び希ガスイオンの加速に利用され、利用実績も上がってきている。しかし現在のイオン源は性能的にはまだ十分ではないので、計画の第2段階として、より高性能なイオン源を設置する計画を進めている。イオン源には14.5GHz,200Wの永久磁石型ECRイオン源(SUPERNANOGAN)を採用する。このイオン源はかなり大きなものであるため、現在のイオン源位置には設置せず、ガスストリッパー装置を撤去しそこにTECRIS用の入射90度電磁石を配置しイオン源を接続する。この配置だと180度電磁石をビームの分析電磁石として使用することができるため、現在より広範な電荷領域にわたってイオンを選択することが可能となる。これによりSUPERNANOGANからの加速が実現すれば現在の加速器の性能を凌駕し、高質量のイオンについては引き出されるイオンの電荷が倍増、つまりエネルギーの倍増が期待できる。
松田 誠; 竹内 末広; 吉田 忠; 花島 進; 藤井 義雄*
第14回加速器科学研究発表会報告集, p.170 - 172, 2003/00
原研タンデム加速器では得られるビームのエネルギー,強度,イオン種の拡大を目的に高電圧端子内にECRイオン源を設置している。計画の第1段階で、基本的な技術の取得及び機器の開発のため、加速器本体に大きく手を加えることなく搭載することが可能な小型のイオン源を設置した。現在、高電圧端子内ECRイオン源により、ヘリウムを除く希ガス及び水素,窒素,酸素の加速が行われている。今回は計画の第2段階として14.5GHz, 200Wの永久磁石型ECRイオン源を設置する予定である。これによりさらに高多荷イオンの生成が可能となりビームエネルギー・強度ともに現状以上に増強することができる。これまでに試験台にてビーム生成試験及び動作特性の測定を行った。また特殊な環境下である端子内に設置される機器に対する新たな制御方式の開発を行っている。
松田 誠; 藤井 義雄*; 田山 豪一; 石崎 暢洋; 阿部 信市; 花島 進; 月橋 芳廣; 堀江 活三; 大内 勲; 神田 将; et al.
JNC TN7200 2001-001, p.166 - 168, 2002/01
原研タンデムから得られるイオンビームの電流・エネルギーの増強及び加速イオン種の拡大のため、1998年にECRイオン源をタンデム加速器の高電圧端子に搭載した。その後、定期整備のたびに改良を加え、現在は安定動作を実現している。主な改良点はターボ分子ポンプを排気系に追加したことと、搭載ガスを8ボンベまで可能にしたことである。これまでに水素,窒素,酸素及び希ガスの加速を行い、ビーム電流は約1桁、エネルギーはXeで300MeVに達している。イオン源の動作もきわめて安定しており、最長4日間の連続運転にわたってイオン源を再調整する必要はなかった。本件では現在の運転状況と装置の現状について報告する。
北澤 真一; 井田 勇人*; 松井 靖幸*; 高柳 俊暢*; 脇谷 一義*; 家村 一彰*; 大谷 俊介*; 鈴木 洋*; 金井 保之*; Safronova, U. I.*
Journal of Physics B; Atomic, Molecular and Optical Physics, 34(16), p.3205 - 3220, 2001/08
被引用回数:5 パーセンタイル:31.39(Optics)80keV Ne(1s)+He,Ne,Ar衝突によって生成された2電子励起状態Ne(1s2pnl),(1s3l3l'),(1s3l4l')の1重項及び3重項からの放出電子スペクトルを、0度分光法によって観測した。He標的の場合には1重項状態のみ、Ne標的の場合はおもに3重項状態からの寄与がスペクトルに観測された。しかし、Ar標的の場合は、1s3lnl'のエネルギー領域では、有為なスペクトルのピークは得られなかった。2つの理論的な方法、摂動理論(MZコード)及びmulti-configurational Hartree-Fock(Cowanコード)を用いて、放出電子スペクトルのエネルギー準位決定を行った。さらに、Niehausのエンハンスド・オーバー・バリア・モデルでの(j)ストリング分析によって、多価イオンと多電子標的原子によって、2電子移行過程において最外殻よりも内側の電子の寄与の可能性を議論した。
竹内 末広; 松田 誠; 吉田 忠
JAERI-Conf 2000-019, p.105 - 108, 2001/02
原研タンデムブースターの利用においては未知重核の合成等の実験のために強いビームが必要となってきている。加速開発においてはビームの増強化に取り組んでいる。その現状と今後の計画について述べる。3つの方策があって、1つはタンデムの高電圧端子内にECRイオン源を設置し高電荷・高電流のイオンビームを直接加速する方法で、これまでに10GHzの小型のイオン源を設置し運転を始めた。今回はその排気系としてターボ分子ポンプの開発について報告する。2つ目はタンデムの加速電圧を上げることによってブースターへの入射条件を改善することでビーム増強が可能となることと、加速管更新計画を述べる。3つ目はタンデムに代ってリニアックを入射器として利用する案である。高性能のECRイオン源を用いれば10倍以上のビーム増強化が得られる。KEK(高エ研)と検討してきた案を紹介する。
横田 渉; 荒川 和夫; 奥村 進; 福田 光宏; 神谷 富裕; 中村 義輝
Proceedings of 4th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application, p.179 - 184, 2000/10
高崎研のイオン照射施設(TIARA)では、ビーム利用研究の進展に合わせてさまざまな実験装置が作られている。3MVタンデム加速器の重イオン用シングルイオンヒットマイクロビーム装置は、宇宙用半導体のシングルイベント効果の研究に利用されてきた。新たにサイクロトロンビームを用いた高エネルギー重イオンシングルイオンヒットマイクロビーム装置の開発が進められている。加速器技術にも多くの進展があり、イオンビームの利用範囲を広げている。サイクロトロンには金属イオン用ECRイオン源が設置され、カクテルビーム加速ではM/Q=2,4,5について技術開発を終えている。またサイクロトロン磁場の安定化により、ビームが時間とともに減少する現象が大きく改善された。さらに、将来計画として超伝導サイクロトロンの建設が提案されている。本講演ではこれらの装置、技術開発及び将来計画を詳しく紹介する。
横田 渉; 齋藤 勇一; 奈良 孝幸; 石井 保行; 荒川 和夫
Review of Scientific Instruments, 71(2), p.906 - 908, 2000/02
被引用回数:1 パーセンタイル:20.05(Instruments & Instrumentation)原研18GHz ECRイオン源は1994年に製作され、真空装置やガス導入装置の改良により、徐々に性能が向上してきた。しかし、得られたArイオンの最高価数は16で、そのビーム電流は2nAと、予想される性能を下回っていた。このイオン源ではミラー比を広範囲に変化させるために、1対のミラーコイルの間にソレノイドコイルが設置されている。多価イオン生成時(ミラー比、約2)の中心軸上の磁場分布には、ソレノイドコイル位置に盛り上がり(バンプ)が現れる。これが原因と思われる2つ現象から、バンプがプラズマを2つに分断してプラズマの加熱を妨げるために多価イオンが生成され難くなっていると推測された。そこで、ソレノイドコイルの長さを半分にすることでバンプをなくす改造を行った結果、Arのビーム電流は1.3Aに増大した。本発表では、改造による性能向上の要因とプラズマの分断の可能性をデータをもとに議論する。
齋藤 勇一; 横田 渉; 大越 清紀
KEK Proceedings 99-22, p.1 - 16, 2000/01
TIARAでは1994年より、静電加速器用の小型で低消費電力のECRイオン源の開発を進めている。MINI-ECRではすべての磁石に永久磁石を採用したECRイオン源で、トランジスタアンプで発生した10GHzのマイクロ波で動作する。独自な形状の電極を用いたバイアスプローブ法で価数の向上とビーム電流の増大に成功し、1A近いArを得ている。さらに、ECRイオン源でSFプラズマ法を使用した高融点金属イオンの生成技術も確立した。現在、400kVイオン注入器に搭載され、MeVイオン注入の実現に向けてビーム加速テストが行われている。MINI-ECR IIは12GHzで動作するため、磁場をさらに強くするように永久磁石の配置に新たな工夫をした。現在は、試験運転の準備を進めているところである。講演では、静電加速器用小型ECRイオン源に特有な技術、MINI-ECRの特徴と到達性能及びMINI-ECR IIの設計磁場の特徴を報告する。
松田 誠; 竹内 末広; 小林 千明*
KEK Proceedings 99-22, p.17 - 27, 2000/01
タンデム加速器の高電圧端子に永久磁石で構成される小型のECRイオン源を設置し、それから得られる大電流の正多価イオンを直接加速することでビームのエネルギー、強度を増強することに成功した。これまでにH,N,O,Ne,Ar,Kr,Xeイオンの加速に成功しビーム電流はいずれも従来の加速方式に比べ1桁あまり増強することができた。エネルギーについてはXeビームにおいて270MeVを達成している。ECRイオン源の設置場所は高圧絶縁ガス中の放電にさらされる過酷な環境であるのでイオン源、入射系を簡略化し複雑な制御は行わない方針をとった。特にガス流量が重要であるがこれをバルブの開閉操作のみとした。それによって性能はある程度抑えられているが、それでもなお十分な性能を発揮できている。今後はガス流量の調整やMIVOC法による金属イオンの加速を試みる予定である。
荒川 和夫; 中村 義輝; 横田 渉; 福田 光宏; 奈良 孝幸; 上松 敬; 奥村 進; 石堀 郁夫; 田村 宏行
JAERI-Review 99-025, TIARA Annual Report 1998, p.254 - 256, 1999/10
原研サイクロトロンは、1992年に本格的なビームを提供して以来、23,200時間を運転した。昨年度は、3,216時間運転し、28種類のイオンを実験に提供した。また、サイクロトロンの経年劣化対策としてローカルパネルのスイッチ4,000個の交換、RF共振器冷却配管の更新及び既設ECRイオン源のクライストロン電源を更新した。また、高度化対策として制御系計算機を更新し、機能の向上を図った。カクテルビーム加速技術の開発では、M/Q=4シリーズの異種イオン混入防止のためのガス導入系の改造とイオン分離技術を開発した結果について述べた。また、新たにM/Q=2のフルストリップイオンのカクテルビーム加速試験結果について示した。
松田 誠; 竹内 末広; 小林 千明*
第12回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.113 - 116, 1999/00
1998年2月の定期整備にあわせ小型のECRイオン源が原研東海の20MV折り返し型タンデム加速器の高電圧端子に設置された。イオン源を設置してから放電による電源類の故障や高圧ガスによる真空トラブルが発生した。一方で実験ユーザーへのビームの供給も始まり、長時間の連続運転を行ったことからいくつかの問題点も判明した。また装着できるガスボンベの数を3つに増やし現在H,N,O,Ar,Xe,Xeが加速可能である。H,Oビームについては加速器の限界である3A、0.5pAをそれぞれ出すことができた。Xeビームにおいては15,16,18荷の有数のイオンをそれぞれ73,48,9.4pA加速することに成功した。これは近い質量数であるIビームの負イオン源からの入射と比較すると、エネルギー、ビーム電源ともに上回る結果となり当初の目的が達せられた。
横田 渉; 齋藤 勇一; 奈良 孝幸; 石井 保行; 大越 清紀; 荒川 和夫
Proc. of 14th Int. Workshop on ECR Sources (ECRIS99), p.172 - 175, 1999/00
高崎研では、これまでに4台のECRイオン源が開発又は購入された。このうち最も古いOCTOPUSでは、ガス供給システムを改良して10分以内でのイオン種の交換を可能にし、サイクロトロンのカクテルビーム加速で不要イオン種が加速ビームに混入するのを防ぐことに成功した。世界で初めて18GHzのマイクロ波を採用したECR-18では、ミラー磁場分布を改良して多価イオン生成能力を飛躍的に高めた。コイルを用いずに全磁石を永久磁石としたMINI-ECRは、バイアスプローブの採用でイオンビーム電流を4倍に増加させた。本年3月に設置されたHYPERNANOGANでは10A以上のArを初めとして、Pb,Taイオンの生成に成功し、金属イオンをサイクロトロンに供給するための調整を今後進める。これらイオン源の現状と技術開発を報告し、高崎研におけるECRイオン源の開発活動を世界にアピールする。
松田 誠; 小林 千明*; 竹内 末広
Proc. of 14th Int. Workshop on ECR Sources (ECRIS99), p.176 - 179, 1999/00
タンデム加速器では負のイオンを高電圧端子に向けて加速してから炭素薄膜を通過させ電子を剥ぎ取り正の高多価イオンに変換し再び地上電位に向けて加速することで高いエネルギーを得ている。しかしイオンが重いと炭素薄膜の寿命が短くなり、またビーム強度も小さくなる問題を持っている。ECRイオン源はこれよりも高い電荷数のイオンを直接発生できることから静電加速器の高電圧端子に設置することでエネルギー、ビーム強度を増強することが可能である。超小型のイオン源(NANOGAN)が入手できるようになり、これを原研タンデム加速器に設置した。加速テストではH,O,Ar,Xeのイオンの加速に成功し、ECRイオン源のタンデム加速器への利用はこれが世界で初めてである。ECRイオン源の新たな利用法としてこれまでの経過と開発成果を報告する。
福田 光宏; 荒川 和夫; 奥村 進; 奈良 孝幸; 石堀 郁夫; 中村 義輝; 横田 渉; 上松 敬*; 田村 宏行
Proceedings of the 1999 Particle Accelerator Conference (CD-ROM), p.2259 - 2261, 1999/00
サイクロトロンのビーム利用効率を高めるため、イオン種とエネルギーを短時間で切替えるカクテルイオン加速法を開発した。この方法では、M/Q値がほぼ等しい複数のイオン種を同時にサイクロトロンに入射させ、加速周波数または磁場を特定のイオン種に合わせることによりほかのイオンを分離している。原研AVFサイクロトロンの質量分解能は、加速ハーモニクス2場合、A(M/Q)/(M/Q)=410であり、M/Q=4のカクテルイオンのM/Q値の差はこれ以下であるため、異種イオンの混入が避けられない。そこで、ECRイオン源での供給ガスを短時間で切替える方法、加速周波数を微調する方法、安定同位体イオンを加速する方法などで異種イオンの混入率を抑えた。さらに分解能を高めるため、加速電圧を下げてターン数を増やして異種イオンを加速位相から早く外す方法を考案し、異種イオン混入率を10以下に抑えることに成功した。
齋藤 勇一; 大越 清紀; 横田 渉
Review of Scientific Instruments, 69(2), p.703 - 705, 1998/02
被引用回数:6 パーセンタイル:49.2(Instruments & Instrumentation)多価用ECRイオン源でSFプラズマを用い高融点物質をイオン化する新しい方法を開発した。これにより、B,Nb,Mo,Ta,Wの各多価イオンをAのオーダーで得ることに成功した。この方法は、SFプラズマ中のフッ素イオンと上記試料との反応により、試料のフッ化物を生成し蒸気圧を高めさせることにより、気化させ試料イオンを得るものである。安定なSFガスを用いることにより、フッ素ガスがイオン源構造物を浸食するのを防ぎ、長時間の安定運転を可能にした。
北澤 真一; 市村 淳*; 武田 淳一*; 田辺 邦宏*; 町田 修一*; 高柳 俊暢*; 脇谷 一義*; 家村 彰*; F.Currel*; 大谷 俊介*; et al.
Atomic Collision Research in Japan, (24), p.70 - 72, 1998/00
我々は、理研や東大田無のECRイオン源を用いて低エネルギー(数10keV)のHe様多価イオンと、希ガスの衝突による2電子移行で生成するBe様イオンを放出電子分光によって測定してきた。理論計算によってそのスペクトル中のピークを同定し、電子の1重項状態、3重項状態を調べた。標的原子がHeのときは、1重項のみが現れ、Neのときは、3重項状態が主に現れ、Arのときには、1重項、3重項がともに現れる傾向があるということがわかった。
荒川 和夫; 福田 光宏; 奥村 進; 中村 義輝; 奈良 孝幸; 上松 敬; 石堀 郁夫; 横田 渉; 田村 宏行
Cyclotrons and Their Applications 1998 (Cyclotrons'98), p.617 - 620, 1998/00
原研AVFサイクロトロンは、1992年1月より実験利用を開始し、同年9月より定常運転に入り、1998年3月には20000時間運転を達成した。この間、プロトンからキセノンまでの33種類のイオンを10MeVから520MeVのエネルギー範囲で、実験利用に提供してきた。最近開発したカクテルビーム加速技術を中心に、サイクロトロンにおける改良・改造とビーム加速の現状、及びビーム計測技術の現状について報告する。
齋藤 勇一
第9回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム (BEAMS1998), p.7 - 10, 1998/00
多価イオンを利用することにより、TIARA400kVイオン注入器を用いてMeV級イオン注入を可能にするため、多価用ECRイオン源(MINI-ECR)の開発を行っている。MINI-ECRは主に+2価から+4価程度のイオンを生成することを目的としているが、今後より多価のイオン生成を目指したイオン源開発のために、多価イオン増強法の一つであるバイアスプローブ法をMINI-ECRで試みた。また、マイクロ波発振器の出力を10Wから20Wに増加させたものを製作しアルゴンビーム引出テストを行った。これらにより多価イオンビーム電流の増加が得られた(例Ar:0.3A3.2A)ので報告する。